郡上一揆
僕の父親は旧岐阜県白鳥町の出身でした。
白鳥町の夏のイベントで外せないのは数日間に渡って徹夜で行われる『白鳥おどり』でしょう。徹夜踊りと言えば近所の『郡上踊り』が有名かと思いますが、曲の調子や振り付けなど、個人的には『白鳥おどり』の方が好きです。さて、この『白鳥おどり』ですが、祭り期間中に『宝暦義民太鼓』の公演が催されます。この太鼓演奏は一連の物語になっており、その物語が今回の映画『郡上一揆』を現しているのです。
さて、タイトルに『一揆』と入っているので、最初は百姓達が戦う、血みどろ時代劇を想像していました。
しかし、一揆の本分はそちらには無い様です。「けみどり」制度が採用され、それに反発した百姓達が「ごうそ」する為に江戸へ行く。「ごうそ」こそが一揆の本分なのです・・・が。歴史物の作品は好きな僕ですが、いかんせん世界史も日本史もからっきしだった僕には「けみどり」も「ごうそ」も何の事だか分かりませんでした。「検見取り」や「強訴」だなんて、映画を観終った後にパンフを読んでやっと意味がわかりましたよ。
一揆がいかに大変な物なのか、歴史の授業で習った気はしましたが、それがいかにしてどのように大変なのかなんて全然覚えていませんでしたし、肝心な単語の意味が分からないでは、百姓達の必死さがなかなか伝わって来ません。これは観る側の負けです。完敗。
2000年8月に初めて宝暦義民太鼓を見て、翌年3月に『郡上一揆』を鑑賞。そしてパンフを読んで2001年8月に再度宝暦義民太鼓を見る。一番良かったのは2001年8月の宝暦義民太鼓でしたね。やっぱ。
この映画、延べ3500人ものエキストラを使っているそうです。現代劇のエキストラならともかく、時代劇でそれだけのエキストラを採用する事は大変な事です。カツラや衣装を用意しないといけないですからね。しかし、タネ明かしをすると、顔ぐらいしか映らないエキストラには笠をかぶせ、体は写らないようにして対処した様です。そういう苦労のかいがあってか、群集が大移動するシーンは迫力満点でしたね。
いや、実はエキストラを募集していたのは知っていたんです。岐阜県はお隣ですから。行けば良かったな。当時まだ学生だったし。
2001年3月27日鑑賞